■まずインプラント治療の失敗を考えてみましょう
インプラント治療が失敗しないようにするには、守らなければならないことがいくつかあります。それらを守らずに、基本を無視したインプラント治療を行うと失敗する可能性あります。
インプラント治療はそれほど失敗が起こるものではありませんが、失敗が起こった場合には、治療をする側(歯科医)、受ける側(患者)それぞれにその原因があります。
■歯医者側の責任
あってはならないことですが、まず歯科医の診断力や技術の未熟が考えられます。例えば、残っている天然歯の歯周治療を見過ごしたり、放置したまま治療にとりかかったり、あるいは営利主義に走り、患者に十分な説明をしない、また、それらが原因で治療がスムーズにすすまないなどは、すべて歯科医の責任といえるでしょう。
インプラント治療の流れに沿ってみると、
外科手術(埋入ならびに頭出し手術)では…埋入時の発熱や感染、初期固定の不足、設計ミス(インプラントの埋入位置や方向、長さ、本数の不適切)など
上部構造製作では…上部構造の不適合、ネジ締め力の不足、上部構造が清掃しにくい形をしているなどの設計ミス、噛み合わせ調整の不十分など
メインテナンスでは…メインテナンスの必要性を十分に説明していない、適切なブラッシングや定期検診を行わないなど
■患者さん側の責任
清掃の不良は患者さんの責任と言っても過言ではありません。清掃をしないほか、定期検診を受けない、喫煙量を減らさないなど、歯科医との約束事項を守らないとインプラント治療が失敗する原因になってしまいます。