ブラッシングのポイントを把握し、正しい方法で毎日の歯磨きを実践していると歯周病を予防できます。歯並びに合わせて磨くのが歯磨きの基本で、3つのポイントに注意します。ハブラシの毛先は歯の面にあて、歯と歯茎の間も丁寧に磨きます。毛先が広がらない程度に、150gから200gほどの軽い力で動かします。5mmから10mmの幅を小刻みに動かして、1本から2本ずつ丁寧に磨き上げます。
歯並びが悪いと、ハブラシが届かず汚れが残りやすいです。でこぼこした歯並びの場合は、1本ずつハブラシを縦にあてて毛先を上下に細かく動かします。磨きにくい奥歯はハブラシを斜め横から入れ、細かく動かして丁寧に磨きます。歯と歯茎に対しては、45度の角度に毛先をあて細かく動かします。前歯の裏側はブラシのかかと部分で磨き、歯と歯の間はブラシのつま先部分で磨きます。
歯周病と虫歯を防ぐには、徹底した歯垢の除去が必要です。歯垢とは生きた細菌のかたまりで、水に溶けにくく粘着性があります。歯と歯の間や歯と歯茎の境目、かみ合わせの面は歯垢が付着しやすい場所です。食事後やお菓子を食べた後は、歯垢が付着しやすい部位を中心にすみずみまで磨きます。飲食後は細菌が糖分を利用して酸を作るので、表面が酸性状態になります。リンやカルシウムなどのミネラルが溶けだし、元の中性状態に戻るまでに40分程度かかります。食べたらすぐに磨く習慣をつけると、虫歯や歯周病で歯を失うリスクを軽減できます。
歯磨きの実践ではアイテム選びも重要になります。ハブラシは毛先が開いてしまうと歯にあたりにくくなり、効果的なブラッシングができないです。正しいブラッシングができないと歯垢が残りやすくなるので、ハブラシは30日で1本を目安に交換します。人によって歯並びも歯の形も異なるので、自分の歯の状態に合わせて適切なハブラシを使います。ヘッドの大きさは、口の大きさや歯の大きさに合わせて選択します。口や歯が大きい人は大きめのヘッドを選び、口や歯が小さい人や歯並びが悪い人は小さめのヘッドを選びます。
毛先のかたさは大きく分けて3種類あり、年配や子どもはブラッシング力が弱いのでかためのブラシが適しています。ふつうは一般的なかたさで、歯茎を傷つけずに効率よく歯垢を落とせます。やわらかめは、磨く時に力を入れすぎてしまう人向きのブラシです。磨いた後のすすぎは、10ml程度の少ない水ですすぎます。